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目次


授乳ってどんな風にすればいいの?
●ポイントはリラックス
おっぱいは乳汁のことだけを指すのではありません。抱き上げてもらえる安心感や、あたたかな肌ざわり、心地よいふれあい、そのすべてがおっぱいです。

ですから母乳を与える時はやさしく抱っこして語りかけてあげてください。最初は少し照れくさいかもしれませんが赤ちゃんに手を伸ばして抱き上げるとき

「おっぱいをあげましょうね」とか
「・・・ちゃん、ママですよ」とか、

ちょっと声をかけてから抱き上げてみましょう。

そして、目と目が合うように工夫しながら、でも授乳は一日に何回もあることですからママがラクチンに楽しい気分で過ごせるようにラクな服装と姿勢で授乳するようにしてくださいね。

●乳首のくわえさえ方
赤ちゃんに乳輪部分まで深く、まあるく、大きくくわえてもらうようにします。
浅いくわえ方だと、引っ張ったりしてしまい、乳首が傷ついたり、
おっぱいのつぶし飲みといって、乳頭をつぶすようにして飲ませているとトラブルの原因になることもありますので、
必ずまあるく、くわえてもらうようにしましょう。


●抱き方の種類





ふつう抱き

0歳

1歳

2才
(講演会を聞きながら授乳)

3才
(書き物をしながら授乳)
 





たて抱き

正面








いろいろなポーズ

横座りしての授乳

イスに座っての授乳

飲みながら飲まない方の乳首
をいじるのもよくします

お母さんの服を引っ張りながら





お母さんの体型の違い

乳房が小さめな人
下からめくって授乳しようとすると服のシワで隠れてあげにくいため
前開きの服で授乳する人が多いです

乳房が大きめな人
胸の方を持ち上げてヒョイと赤ちゃんに近づけます
下からめくって授乳できるのでシャツやセーターで授乳する人が多いです。




家族で赤ちゃんを囲んで

上の子と遊びながら飲む赤ちゃん
量や間隔はどのくらい?
 適量って?授乳間隔はどのくらいが正常?
そんな悩みが多く寄せられています。

母乳っ子の場合は下記の「授乳量にこだわらないで」、
混合っ子やミルクっ子の場合は「混合とミルク」を見てね。

●母子のリズムときずな
それぞれの親子にそれぞれのリズムがあります。
一般的な育児書には、「授乳の間隔は3時間空くのが普通だ」とか「赤ちゃんはよく寝るものだ」などと書かれていて不安に感じるかもしれませんが、当てはまらない場合も多いので、心配しないでください。

出産後3ヶ月くらいまでは、授乳のリズムができず、試行錯誤の時期です。時計を気にせず、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけおっぱいを含ませてみましょう。

頻回に飲ませることで、3ヶ月ほどすれば母子のリズムが整ってきますので、おっぱいが張らず普段はやわらかい状態でも、赤ちゃんに吸われてから母乳が出てくるようになります。

●不足の見分け方
「もれるほど出た」と自分の母親などからその母乳武勇伝を聞かされると、
「私は出ないおっぱいなんだ」と思い込む人もいるようですね。
実際は、赤ちゃんが乳首を刺激して母乳が出るという仕組みなので、もれなくても、張っていなくても、母乳不足とは限りません。

おっぱいが足りているかどうかの目安は、例えばおしめが1日6、7枚濡れている事などですが、一番大事な事は、赤ちゃんの全体的な様子です。飲みかたや、ご機嫌、肌の色艶などを見てあげてください。お母さんの身体にフィットしているか、乳輪まで深くくわえているかなどもポイントです。

体重など、体格を作るのは1歳からで、母乳の子は1歳までに体質を作るとも言われます。一般的な数値よりも赤ちゃんの様子を観察してあげてくださいね。

●不安感でいっぱいのお母さんへの言葉かけ
よく泣く赤ちゃんを見て「ミルクを足したら」と提案する人がいるかもしれません。

でも、赤ちゃんが泣く理由は他にもいっぱいあります。オムツが濡れている、もっと抱っこして欲しい、暑い、寒いなどいろいろです。それまでとても満足して母乳を与えていた人が、周囲の一言で不安になったことが原因で、母乳が出なくなったという話もあります。

パートナーにも協力してもらい、周囲の方には、「母乳は吸わせるほど出る」ことや、「6ヶ月以下の赤ちゃんにゴム乳首を使うことはそちらの飲み方を覚えてしまい母乳の妨げになる」ことも分かってもらうようにしたいものです。

周囲の人はそれよりも、お母さんと赤ちゃんがリラックスして授乳できる環境作りをサポートするという役目をしてもらいましょう。

~授乳のすすめ~量にこだわらないで~

●ある日の保健所での電話相談より
41才で2人目の赤ちゃんを出産した方から電話相談が入ってきました。
彼女は10代に出産したことはあるのですが、事情があって3ヶ月ほどで手元から離したのだそうですので、はじめての子育てと同じようなものでした。

最近のお母さんの中には、まな板と包丁を持たない生活をしている人もいるという話は聞いていました。彼女もそういう生活をしていて夫婦だけの時はほとんど出前や総菜を買ってきたりが習慣化しており、2ヶ月の赤ちゃんと二人の時は食べたくないし、体の調子が悪ければ食べないというふうです。
私が訪問したときはお母さんが下痢をしているということで、リンゴを半分食べただけと言います。意外に母親は元気でしたが、子どもがミルクを1回50mlしか飲んでくれないと言うことと、泣いてばかりで困るということが、一番の悩みでした。
41才と高齢なので入院中、看護婦さんに「あなたは年だから、おっぱいはでないわね」と言われたことが脳裏に残り、入院中3回ほど、直接授乳させただけでした。オッパイを含ませたかったんだけど、どうせ出ないと思い込み、含ませなかったことを大変悔やんでいました。
私は、田舎のおばあちゃんが孫の子守りをしていて泣いて仕方のない時は、自分のお乳をふくませて眠らせたという話を聞いたことがありましたので、母乳の出る量を気にしないでふくませてあげることを勧めてみました。
1ヶ月半ぶりにお母さんは赤ちゃんをしっかり抱いて見つめています。赤ちゃんも出ない(?)乳房をクチュクチュとおだやかな顔をして吸い付いています。初めて、親子の気持ちがピッタリと来た瞬間だったのです。5分から10分両方のオッパイを吸わせてもらい、赤ちゃんは安堵の表情で寝入ってしまいました。

●現在の状況
とかく、今は指導する方も、される方も母乳の出る量にこだわってしまいますが、量については二の次だと私は考えます。赤ちゃんをしっかり抱いて、見つめて、ほほえみかけて、ゆったりした育児を心がけると必ずオッパイは湧き出てきます。

昭和60年4月よりよこはま自然育児の会の前進である母乳教室を始めた時代から私は子どもを取り巻く情勢の中で、おかしな現象が起きていることを大変憂れていました。保健所の外来へ来る子どもたちや地域・学校で子どもたちを見ると

※ 顔や体中、湿疹だらけの子が多く、
通院加療中にもかかわらず改善されていない赤ちゃん
※ あごの発達が悪いために、
歯並びが悪い・固いものが食べられない子どもが増えている。
※ 情緒不安定、登校拒否等の子どもがふえている…など 花

これらの子どもに関わる問題は、乳幼児期の母乳育児とは無関係ではないと考えられるのです。「青春期病と母乳」という論文の中で(母子保健・306 森 岳)以下のように書かれています。

『よくスキンシップは大切だと言われていますが、一般的には人間同士の皮膚と皮膚の触れあいであるとよく言われています。また、皮膚と皮膚の触れあいではなく、粘膜と粘膜の触れあいであり、人間相互に大きな影響を与えている。この粘膜と粘膜の触れあいはそう簡単にできるとは考えていません。赤ん坊の時と、恋人同士になったとき、夫婦の間に限られるのではないかと考えます。一番スキンシップが充分に行われる時期は、出生直後から赤ん坊がハイハイ~立ち歩きできるまでの時期です。この時期には、授乳行為があり、少なくても母親の乳首と、乳児の口の粘膜の触れあいがあり、スキンシップの原型が存在するのです。

母親の乳房を赤ちゃんが吸うとき、2~3日は母乳が出なく、快感とはほど遠い痛みを感じるものですが、繰り返すことにより、脳下垂体からオキシトシンという筋肉を収縮させるホルモンが分泌され、乳房周囲と子宮の筋肉を収縮させ、母親に筋肉の収縮、弛緩の繰り返しが快感をもたらすようになります。赤ちゃんの方は、乳頭をすったり、しゃぶったりすることにより、心地よい疲労感、乳首から噴射する乳汁が、口の粘膜に当たり、快感を持たせます。その上、乳首が赤ちゃんの舌、口の粘膜に心地よさを与えるのです。このように母親と赤ちゃん相互が快感を持ち、相手の存在を必要とし、愛着を持ち、相互依存が満たされるのです。ここに人間と人間の信頼関係が誕生することになるのです。スキンシップである授乳行為は、理論的には、長ければ長いほどよいと考えられますが、現実的には1才2ヶ月くらいまでで赤ちゃんが自分の足でしっかりと歩き始めた頃と考えるとよいでしょう。幼児以降、心身のゆがみ、親子関係のゆがみ、親の不仲などが生じても、基本がしっかりしている場合には、さほど大きなゆがみとならず、たとえゆがんだとしても修正が可能であるのです。』

このように思春期内科を標ぼうとしている医師が母乳とスキンシップの関わりを重要視しています。医学的には前記のように意味づけられるのですが、母乳育児中のお母さんに尋ねると、いろんなよいことはあるけれども、赤ちゃんが病気をしたとき大変助かります、と答えが返ってきます。特におなかをこわして食欲がなく、水分もろくに飲んでくれない時、オッパイだけは飲んでくれたのでホッとするというお母さんは大勢います。

母乳育児を勧めると、関係者からよく「母乳にこだわらなくてもよい」という批判を受けることが多々あります。つい量にこだわっているからでしょう。私は母乳のすすめではなく、赤ちゃんが母親を信頼し、母子関係、人間関係の基本と形成していく手段として授乳行為を充分に行ってほしいということをこれからのお母さんに望みたいと思います。

よこはま母乳110番 顧問 朝倉 きみ子 
混合っ子の場合
●混合っ子の授乳の仕方

混合育児のお母さんは母乳とミルクの両方の手間で疲れて大変な思いをしている方が多いですよね。周囲の「母乳が足りないのでは?」という勧めから不本意ながらミルクを足している人も多く、よけいにストレスをためてしまいがちです。夜泣きに悩んで沢山眠ってくれるようにと寝る前に大量のミルクを足してしまっている人も多いです。

でも、本当に赤ちゃんがミルクを欲しがっているのかどうか、赤ちゃんをよく観察してみましょう。なぜなら、この頃の赤ちゃんは、母乳よりも楽に吸える人工乳首を好んで(とくに出産直後に母乳を吸わせてもらえなかった赤ちゃんの場合、そちらの吸い方を覚えこんでしまう)母乳を受け付けなくなっていることがあるからです。

粉ミルクの缶に表示してある量は、あくまで標準なので、赤ちゃんの胃袋には負担な量である場合もあります。ゴム乳首は母乳と違って沢山の量がカンタンに飲めてしまうので、飲み過ぎても耳や鼻からミルクを出してものみ続ける場合もあります。おなかが苦しくて飲みすぎの「うなり泣き」をしていないかどうか、注意して見てみましょう。ミルクを足すときは必ず母乳の後にして、なるべく少しずつ、できればティースプーンで与えます。ゴム乳首を使うのなら「ヌーク」という母乳と同じ飲み方になる形状のものがおすすめ。重要なのはミルクの前に必ず母乳をあげることです。ミルクを飲んでおなかがいっぱいだと、母乳を飲む気がなくなり、乳首への刺激も減ってしまうので、母乳はどんどん作られなくなります。その悪循環でどんどん母乳の量が減り、ミルクの量が増えていきます。

母乳の分泌量は夜間授乳を止めると急に落ちてきますから、母乳育児を続けたい人の場合は、昼間やむなくミルクを足したとしても、30~80ccくらいにおさえておき、がんばって夜はいっさい足さないようにしましょう。夜だけでも母乳を続けていくと除々に分泌量が増えていきます。あまり量にばかりこだわらず、ひたすらだっこして乳首をなめさせるだけでもいいと思ってください。赤ちゃんが求めているのは乳汁だけではありません。抱きあげられる感触や匂い、お母さん自体を欲しがっているのです。それに「足りているけど、飲み方のへたな子」「飲み方にむらがある子」もいるのでミルク缶の表示の数字だけにとらわれずに、赤ちゃんの様子をよく観察してみてくださいね。
ミルクっ子の場合
●ミルクっ子の授乳の仕方

ミルクっ子は医療者や周囲の期待どおり、よく眠ります。3ヶ月たたないうちに「一晩中寝るからラクよ」というママの話をよく聞きます。昼間も長時間よく寝てくれるのが当たり前で、しょっちゅう目を覚ます母乳の赤ちゃんの方を異常ではないかと心配する人がとても多いようです。ところが本来赤ちゃんは胃腸が未熟で、そんなに大量の異種タンパクを短時間では消化できません。そのため異種たんぱくである牛の乳、つまりミルクは「3時間以上、間をあけてあげてください」となっています。

穴の大きい哺乳瓶のゴム乳首を使うとそれでなくてもミルクを大量に飲めてしまいますので、赤ちゃんは大量のミルクを飲んで胃もたれをして眠っている可能性があります。「こんなに眠っていて、いいのかしら」「こんなに沢山あげて大丈夫かしら」というミルクっ子のお母さんからの相談が多いのも、噛む力を使って飲む母乳のような飲み方ではないので、いくらでも飲めてしまうことがあるからなのです。

では、どうしたら飲みすぎることなく健やかなミルクでの授乳が出来るのでしょうか?
それは、消化力に注意して「あげすぎないこと」です。母乳と違って消化時間がかかるので少量頻回授乳(少しの量をひんぱんにあげること)は出来ませんが、少なくとも「飲みすぎない」そして「噛む力を育てる」授乳の仕方をすることです。それには赤ちゃんをよく観察することが必要です。マニュアルだけを信じて数字どおりにせず、赤ちゃんの様子をみながら授乳していきましょう。「ヌーク」というドイツで開発された、母乳と同じようにあごを使った飲み方をする人工乳首がそれを助けてくれます。
働きながらの母乳育児
●保育園でも母乳を飲ませることが出来ます。

「冷凍母乳」ってご存知ですか?自分の母乳をあらかじめ「冷凍母乳パック」などにしぼって冷凍しておき、保育園にそれを届けるやり方です。ただし、使えるかどうかはそのお母さんの授乳量にも、保育園側の受け入れ態勢にもよります。母乳は、その赤ちゃんが欲しがる分子のみ分泌される仕組みなので吸う刺激の回数が減ると、その分泌量も落ちてきますが、昼間会社の休憩室や更衣室などでしぼることが可能なら、張り戻しが来ないように注意しながらしぼることが可能です。

お母さんの体質や精神状態にもよりますが(母乳は身内の不幸など、精神的なストレスで止まってしまうことも)これで分泌量がある程度キープされます。会社に冷凍庫があるなら、しぼった母乳を「冷凍母乳パック」に入れ冷凍し、お迎えの時に保育園の冷凍庫においてくることもできます。ただし、その時は保冷剤を忘れずに。

●「変則授乳」をしてみまよう。

会社や保育園に冷凍庫がなくて冷蔵庫しかないときや、冷凍庫があっても(食品がぎっしり詰まっていて庫内温度が高めで)衛生的に心配な場合は、冷凍母乳にこだわることはありません。昼間保育園などに預けている間は飲ませることができなくてもお迎えの時間から夜間や朝の送りの時間まで、しっかり授乳して一日の母乳量を飲ませる(満ち足りていると、昼間ミルクを足そうとしてもほとんど飲みません)「変則授乳」という方法もあります。

タイムスケジュールとしては、まず、お迎えの時にじっくり授乳します。帰宅後も夕食の支度、入浴、睡眠時間もずっと赤ちゃんをそばにおいて「いつでも飲んでいいんだよ」くらいの感じで飲ませ続けます。(たいへんではありますが)。朝も、同じようにします。保育園のお見送りの前もなるべくゆっくりと授乳してから仕事に行くようにします。分泌が落ちないようにしぼることが必要な時期もありますが、やがてあなたも赤ちゃんもこの状態(変則授乳)に慣れてしまいます。「昼間はおっぱいをしぼらなくても張らずに過ごせ、お迎えにいって子どもの顔を見たとたんに湧いてくる」という風に、ごく自然に変則授乳ができるようになってきます。もちろん、夜間授乳は添い寝をしていても、眠くて辛いこともありますが、うとうとしながらでも飲ませていると(夜間の母乳の分泌量は昼間の倍、というデータもあります)働きながらでも長くたっぷり母乳を飲ませ続けることができるのです。この方法で母乳育児を続けるお母さんたちは大勢います。

●離乳食に移行させなくてはいけないの?

母乳を長く続けたい人の中には、「アレルギー体質や症状を心配して」という人も多いようです。乳質に気を遣って母乳によいといわれる食生活を一生懸命している人も多くいます。それなのに保育者の方針が「みんないっせいに、同じものを残さず食べる」ごとに重きをおくようなスタイルで、早く離乳食を進めたがり、母乳育児に理解がない場合があります。また「卒乳」イコール「自立」という考えの保育者だと子どものために早く離乳食をすすめたがりいつまでも母乳をあげることを快く思わないこともあります。そんな時は「何がどこまで許せることで、何がどうしても許せないことなのか」自分の中で価値基準を決めておきましょう。パートナーと話し合っておくことも大事です。

仕事を続けるためには現実問題、自宅との距離が近い保育園が必要ということもあるでしょうし、母乳育児に理解がない夫の母親などのおばあちゃんに預けざるをえない場合もあるでしょう。クタクタに疲れてしまって、働くこと事体を子どもに対して「すまない」と感じてしまうこともあるかもしれません。でも、大丈夫。働きながら楽しく母乳育児をしている人はたくさんいます。できれば仲間をつくり、情報交換する事をおすすめします。生の体験を聞くことであなたのまわりの人たちも、母乳に対する正しい知識や解する気持ちを育てていくことができますから。
(よくある質問 離乳食がすすまない。母乳をやめた方がいいの?参照)
昼間、赤ちゃんと離れている間、おっぱいが張って苦しいときは「圧ぬき」という方法があります。



山西みな子著「新 あなたにもできる母乳育児」食べ物通信社より引用
赤ちゃんを預けたい
●母乳だと人に預けられないのでは心配です。
母乳育児の場合、お母さんと赤ちゃんが長い時間離れていることが出来ません。たとえ離れていても母乳が定期的に分泌されて乳房が痛いくらい張ってきてしまいますし、赤ちゃんの方もお腹がすいてしまい(またはお母さんの匂いや感触がないと不安になって)泣いてしまったりします。

では、何があっても人に預けられないのか、というとそんなことはありません。働きながら母乳育児を続ける人も沢山います。その場合はたいてい冷凍母乳パックを使いますが、変則授乳という方法もあります。
「働きながら母乳育児」参照

*冷凍母乳パックは使い方も簡単ですからお母さんが体調をくずしたとき、思い切り疲れて熟睡したいとき、もちろん、外出したいときも使ってくださいね。
授乳中の外出と服装、どうすればいいの?
●外出中におっぱいを欲しがられたらどうすればいいの?
母乳育児の場合、お母さんはしゅっちゅう胸をめくっておっぱいを飲ませることになります。

「こんな状態ではとても外出できないわ」
「どうすれば回数を減らして長時間もたせることが出来るのかしら」

そう思う人もいるかもしれません。

たしかに育児書のように一日7、8回どころではなく一日20回も30回もおっぱいを求める赤ちゃんは母乳っ子の場合たくさんいます。(それが普通ですから心配しないでくださいね。)

でも、大丈夫。授乳中の外出と服装にちょっとした工夫があれば、楽しいおっぱいライフを過ごすことが出来ます。

●外出時や服装の工夫

セーターの下にひもを通しておき、授乳の時引っかけて使います。
(授乳しやすい長さにあらかじめ調節しておいてね)


ハサミで古いTシャツなどの胸もとを丸く2つ、切り抜いておきます。
体重の悩み
 お肌もつやつや、にこにこ笑っておっぱいもよく飲み、すやすや眠る元気な赤ちゃん・・・・。

それなのに、体重が少ないことをとっても気にするお母さんお父さんは多いです。

医療者に「こんなにしょっちゅう目を覚ましておっぱいを飲むのでは」とか「こんな体重では母乳不足なのでミルクを足すように」と言われてがっくりするお母さんも多いようですが、本当にそうなのでしょうか?

体重曲線と母乳育児


よこはま母乳110番の電話相談でも、体重が増えないという悩みは上位を占めています。体重計をレンタルして母乳やミルクを飲ませた後の赤ちゃんの体重を毎日計り、平均値のグラフとにらめっこ、母乳不足かどうかの判断の基準にしているお母さんもいますが、ほんとうのところ、どこをどう見て赤ちゃんが正常に育っているのか、栄養は足りているのかの判断していけばよいのでしょうか?

■体重管理と体重グラフ

・1950年(昭和25年) 全国調査実施
・ 栄養状況もよくなった1960年代に再調査(結果前回を上回る)
・1970年(昭和45年) 以降は10年ごとに調査を実施。
・そして現在、厚生労働省の方針は母子手帳への
乳幼児発達曲線の掲載を止めました。 花

今まで皆さんの母子手帳に載せられていたのは、1990年(平成2年)の調査結果を基に作られたもので、載っているグラフの10%タイルは,小さい方から見て100人中10人目くらいの値、90%タイルは、大きい方から見て10人目くらいの値ですよ、という意味です。
一人の子どもがこのグラフ曲線のように成長していくということとは違います。

■専門家の指導
母乳で育てられている子どもの中には、太っている子もいれば、とても痩せている子どももいます。太っている子のお母さんは、「母乳を与えすぎですから、間隔をあけてあげてください。」と言われると、今まで1日7~8回以上あげていたお母さんは、一生懸命間隔をあけるので、授乳の回数が少なくなり、オッパイが張ってきて乳腺炎を起こしているお母さんも多くいます。

また、痩せている子には母乳がよく出ていても「ミルクを足すように」言われることが多くあり、お母さんはミルクを飲ませることに苦心しています。母乳を飲み慣れた子は、後日ミルクを足しても体重の増える子ばかりではありませんので、お母さんの悩みは増えるばかりです。

■母乳栄養児の体重の増え方について
ここに、1990年の長谷川まなみ氏などによる研究発表があります。

目的:母乳栄養児固有の発達曲線を明らかにし、
昭和55年の厚生省乳幼児発育値と比較

結果:母乳栄養児の体重は個人差がある
(大きい子もいる、小さい子もいる)


・ 4~6ヶ月に体重増加(厚生省とも一致)→最も多い
・ 母乳栄養児は乳幼児期後半に体重増加の確率が高い→その半分くらい

元気があって、機嫌がよくて、目が輝いていて、その子なりに体重が増えていればいいんではないでしょうか。

■よこはま母乳110番の相談例より
Q: 出産前に母乳の本をよく読み、母乳の子は1回に飲む量も少なく、ミルクの子ほど体重が増えないと知っていたので、退院時に出生体重に戻らなくても頑固に断り続けてミルクを足しませんでした。その後体重も増え、母乳も順調です。それなのに1ヶ月健診の際、「体重が出生児に比べて600gしか増えていない、ミルクを足しなさい」と言われてしまい、カッとなって保健所とケンカして帰ってきてしまいました。いったい、どのくらい増えていれば「普通」なのですか?また、その根拠はどういったものなのですか?

A: 一般に行われている指導は、戦後の体重重視の考え方から来ています。厳しく「指導」される場合もありますが、体重が上昇傾向にあれば「様子を見ましょう」「母乳の子はそのくらいで普通ですよ」と言われる場合もあります。

※ 一般の指導(ミルクも母乳も同じ)
・ 母子同室で3時間ごとの授乳
(2日目20g、3日目30gと増えていって15日目に120g)
・ 生理的体重減少(出生時体重の約10%)がその後の体重増加によって、退院時に出生体重にもどる。
・ 1ヶ月健診時には子の体重が1kg増えているのが当たり前

※ 母乳育児の指導
・ 母子同室で泣いたら与える授乳
(1回10~20gを1日15回ぐらい飲む、その後は30g増が目安)
・ 生理的体重減少がその後の体重増加によって10日ぐらいで出生体重に戻る
(退院時はもどらなくてよい)
・ 1ヶ月検診時には600g増えていれば大丈夫

飲む量=吸収される量とは限らないので、単にミルクを足すだけで問題が解決するとは限りません。

チェックポイント: 肌のつや、顔色、元気に動いているかどうか

●排泄の方は順調かな?

健診の時はママの方もつい体重のことばかり心配しがちですが、日々よく赤ちゃんを観察しておかしいと思った点をチェックしてもらうなど、上手な利用の仕方を考えてください。確かに「指導してやる」方式の人もいますが、よい点もあります。
残念ながら日本の場合、母乳育児はまだ一般的でないことを頭に入れて健診に臨むとうまくいくでしょう。(ケンカなんかしないでね…)

母乳の子は大きくなりすぎず内部分化をすすめます。そして1歳を過ぎてからそれまで大きかったミルクの子をぐんぐん追い越していくのです。自信を持って母乳育児をしましょう。

ワンポイントアドバイス~母乳が足りているかどうか知る方法~

1. 布おむつが1日6~7枚ぬれている
2. 機嫌がよく、ぐっすり眠る
3. 奥からわいてくる感じの母乳をしっかりくわえてゴクンゴクンと飲む

よこはま母乳110番 顧問 朝倉 きみ子 


 

 
 
 
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